2015年2月4日水曜日

[Earth Science] 地表の変化 砕屑粒子の運搬・堆積作用

砕屑粒子の堆積作用
砕屑粒子(砕屑物):風化作用で分解されたり破壊されたりして地表に生じた粒子のこと.

砕屑粒子は水の流れや風の働きで運搬され,次第に低地に運ばれる.
水の流れがあると,砂は流されやすい.細粒な砂粒子の場合は,流速が小さいと動かないが,流速が増すと表面にはリプル(砂連)が形成される.その断面は斜交葉理になっている.流れが速くなるとデューン(砂堆)が形成され,さらに速くなると平滑な地層ができる.

堆積が行われる関係
・水路での堆積作用
水は水路(チャネル)に沿って流れる.流速が速いと粒子は一気に下流まで流される.しかし,流速が遅くなると水路でも堆積作用が生じる.
流れが緩やかになると,水路は次第に蛇行する.蛇行する箇所では,水路が壁面を侵食するカットバック(攻撃斜面)が形成される.流れが続くと,蛇行は次第に著しくなり,次の洪水時にカットバックが破られて,直線状に一気に流れるようになると,その部分は三日月湖として取り残される.
・扇状地での堆積作用
水路が山地(斜面)から平地へ出るところでは,流れの速さが低下するので,礫や砂などの粗粒の粒子が堆積しやすくなる.それらは,洪水時に土石流となって一気に広がり,扇状の地形(扇状地)を形成する.水路から離れた場所では,より細粒の粒子が周辺に拡がって堆積する.このような作用は陸上でも水面下(海底や湖底)でも生じる.
・三角州
川が海や湖に流入する所には,しばしば三角州(デルタ)が発達する.
・海浜と内湾での堆積作用
海浜に運ばれた砕屑粒子は,さらに波や湖流に流されて,細粒の泥は沖合いまで運ばれるが,粗粒の礫や砂は近くに溜まり,側方や沖合に砂浜や沿岸砂州を作る.
・深海での砕屑粒子の堆積作用
波浪底面より深い海では,嵐の時も波浪の影響を受けずに,水の中だけの特殊な堆積作用が生ずる.泥を含んだ砕屑粒子がひと塊りとなって,泥濁流としてより低いところへ運ばれる堆積動流,等深度を流れる底層流で運ばれる等深度流などによる堆積作用である.

堆積物重力流
混濁流(乱泥流):泥,砂,礫などの砕屑粒子を含んだ密度の濃いものが重力によって流れ下る流体.一般に礫,砂,泥を含んだ水が一気に下る.

混濁流は海や湖の底を流れ,波浪の影響を受けない数十m以深で運んできた砕屑粒子を堆積させる.そのため,混濁流堆積物は下方ほど粗粒で,上方ほど細粒となる.級化層理が形成される.

水中土石流:混濁流より密度が高い流れ.水中土石流は大小の粒子が混じり合ったまま堆積することが多く,級化層理が形成されることは少ない.

侵食と地形の形成
・地すべり,崩壊
河川は洪水時に地表とV字型に侵食する.侵食に比べて山地の隆起速度が大きな地域ではV字谷が形成されている.
V字谷の形成で不安定になった斜面は,大雨や地震などをきっかけに崩壊や地すべりを起こし,地形は改変される.

地すべり:地表近くの土砂や岩盤が面に沿ってゆっくりと滑る現象.地すべりにより,地形はなだらかな斜面に変化する.

・海食崖
海岸地域では砂浜と岩礁地帯で全く違う地形を示す.
岩礁地帯では,海岸の岩石が波の潮流による侵食に抵抗するので,海岸崖や海食台が発達する.

海食崖:ほぼ垂直な崖が割れ目に沿って崩壊を起こしながら少しずつ後退することでできる崖

海食台(波食台):波の侵食作用が続くと平らに鳴らされて形成される.

海水準変動によって,海食台面が海水面上に出ると,平坦なダイチとなる.このような作用が繰り返されると,海岸段丘となる.これは,地震時の瞬時の隆起によって起こることもある.

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