2015年1月26日月曜日

測量の分類について

<問題>

 測量に関して間違っているものを選べ.

  1. 測地学的測量とは,地球をGSR80回転楕円体として行う測量をいう.
  2. 平面測量とは,地球を平面と考えて行う測量をいう.
  3. 測地学的測量では,地球表面の曲率を考慮しない.
  4. 基本測量,公共測量は,測量法の規定に基づいて行う.
  5. 公共測量は,作業規定の準則に基づいて行う.
答え:3
<解説>

  • 測量区域が小さく,地球の表面を平面と見做して良いとき,平面測量という.測量作業で得られる実距離を球面距離Sといい,平面直角座標上の平面距離sとの差が1kmにつき0.1mまで許される場合(精度:1/10,000),半径約10kmまでの範囲を平面とみなす.
  • 測量区域が広くなれば,地球の曲率を考えて測量しなければならない.地球を球体と考えて行う測量を測地学的測量という.
  • 座標として,小区域の一般測量では平面直角座標系を,広域の測量ではGRS80楕円体を基準面とする地理学的座標系を用いる.
<ポイント>
測量法における測量の区分
  • 測量法(第3条)において「測量とは,土地の測量をいい,地図の調整および測量写真の撮影を含む」と規定されている.実施の主体,費用負担の区分(国,公共団体,民間),規模,精度および実施の基準から,基本測量,公共測量,基本測量,および公共測量以外の測量の3区分に分けられる.
    • 基本測量(第4条):すべての測量の基礎となるもので,国土地理院が行う測量.1等〜4等基準点測量,1等〜3等水準測量,1/25,000地形図測量,および1/200,000等の地図
    • 編集,土地利用図の作成等.
    • 公共測量(第5条):基本測量以外の測量で,費用の全部,もしくは一部を国,または公共団体が補助して実施するものを言う.1級〜4級基準点測量,1級〜4級水準測量等.
    • 基本測量,および公共測量以外の測量(第6条):基本測量,公共測量の測量成果を使用して実施する4条,5条以外の測量.ただし,4条,5錠とも建物に関する測量,局地的測量,高度の測量を要しない測量等を除く.
  • 公共測量を実施する測量作業期間(第8条)は,作業を円滑化つ確実に実施するため,作業規定の準則(第34条)に基づいて作業計画を立案し,工程管理,および精度管理を総括する者として,主任技術者(測量士)を選任しなければならない(準則第9条,実施体制).

測量の手法・目的による分類

  • 測量は,測量の方法,目的によって分類する.基準点測量(多角測量),水準測量,地形測量,写真測量,地図編集,応用測量など.作業規定の準則では,基準点測量(基準点測量,水準測量),地形測量,および写真測量,および応用測量(路線測量,河川測量,用地測量)に分類している.
<問題>
公共測量の作業規定を定める場合で間違っているものを選べ.
  1. 作業規定は,ある理想表現するものであるから,最高精度の条件を記載する.
  2. 作業規定は,実務者の直接の指針となるようにできるだけ具体的に,また,分かりやすく記載する.
  3. 作業規定は,その測量の目的を確実に満たすために必要な制度を持たせる.
  4. 基準点測量から製図作業までの各段階における精度は,互いに均衡の取れたものとする.
  5. 作業規定は,実施した測量成果に対して制度を明らかにする根拠となるものであるから,精度を点検できる処置について考慮しておく.
答え:1
<解説>
公共測量は,公共性,重要性を考慮して,信頼できる精度を確保しなければならない.測量法第33条の規定により,測量計画機関は,公共測量を実施するときは,観測機械の種類,観測法,計算法等の作業規定を定め,国土交通大臣の承認を得て実施しなければならない.この作業規定作成の規範となるものとして,34条で国土交通大臣は,標準的な作業方法等を定め,その規格を統一するための公共測量の作業規定の準則を定めている.


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測量について,測量の分類について

2015年1月25日日曜日

測量について

測量:土地の測量のこと.地球表面上の諸点の関係位置を決める技術.諸地点の位置は,測点において,三角点等の既知点または座標のx軸からの方向角,方位角と距離および高低差が分かれば決定できる.

基準点測量細部測量:測量はその目的に応じた精度が一様に保たれなければならない.広範囲の地域を測量する場合,最初に測量区域全体を覆う基準となる測点の位置および高さを決定し,この測点に基づいて細部の測量を実施すれば正確さが一様に保たれる.測点間の位置を決める測量を基準点測量多角測量)と言い,それに続いて行われる地形,地物の測量を細部測量という. 

  1. 基準点測量(多角測量):基準点測量はTS,セオドライト,測距儀やGNSS測量機を用いて,多角方式(結合トラバース)によって相互の位置関係を決定する.
  2. 細部測量:地形,地物等,細部の位置関係をTS,GNSS測量機を用いて決定する.
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2015年1月24日土曜日

[Earth Science] 大気の構造と運動 地球全体の熱収支

太陽放射と地球放射
太陽放射:太陽が宇宙空間に主に可視光線として放っている膨大なエネルギーのこと.
太陽定数:地球の大気の上端で太陽光に垂直な1m$^2$の面が1秒間に受ける太陽放射エネルギーのこと.1370W/m$^2$
地球全体が受ける太陽放射エネルギーを地球の全面積で平均すると342W/m$^2$となる.これは,太陽放射エネルギーの1/4である.

上記の計算については,地球を半径6.4 $\times$10$^6$の球,太陽定数を1.4 $times$ 10$^3$W/m$^2$とすると,以下のようになる.
地球の断面積 = 3.14 $\times$ (6.4 $\times$ 10$^6$ )$^2$ m$^2$
地球表面が1秒間に受ける太陽放射エネルギー総量 = 太陽定数 $times$ 地球の断面積
= (1.4 $\times$ 10$^3$) $\times$ 3.14 $\times$ (6.4 $\times$ 10^$^6$)$^2$
= 1.8 $\times$ 10$^{17}$
地球の表面積 = 4 $\times$ 3.14 $\times$ (6.4 $\times$ 10$^6$ )$^2$
= 1.8 $\times$ 10$^{17}$
したがって,地球全体の平均は
$\cfrac{(1.4 \times 10^{3}) \times 3.14 \times (6.4 \times 10^{6} )^{2}}{4 \times 3.14 \times (6.4 \times 10^{6})^{2}} =  \cfrac{1}{4} \times (1.4 \times 10^{3} ) = 3.5 \times 10^{2}$ W/m$^{2}$

地球放射
地球が太陽放射によって常に温められていても,地球全体で平均した地表気温はほぼ15℃に保たれている.それは,地球が吸収する太陽放射と同量のエネルギーを宇宙空間に地球放射しているからである.
地球放射:太陽放射と同量のエネルギーが赤外線として昼夜の別なく宇宙空間へ赤外放射すること.

温室効果
温室効果:温室効果ガスは地表からの赤外放射とほぼ同じ量のエネルギーを下向きにも赤外放射し,再び地表を温めること.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
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地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
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プレートテクトニクス成立の歴史,・プレートテクトニクス,・プルームテクトニクス
地震と火山
地震,・火成活動,・火成岩,・変成作用,・造山運動
大気の構造と運動
大気の構造地球全体の熱収支

2015年1月23日金曜日

[Earth Science] 大気の構造と運動 大気の構造

大気の構造
大気の組成
待機中の水蒸気(H2O)の量は空間中にも時間的にも大きく変動する.水蒸気の大部分は地表付近に存在する.特に,水温の高い熱帯の海上では水蒸気の割合は質量比4%程に達する.これは気温が高いと飽和水蒸気量が大きいからである.

水蒸気は蒸発するときに周囲の大気から奪った熱(蒸発潜熱)を凝縮して,液体や固体の雲粒になるときに開放して,周囲の大気を暖める.このため,水蒸気は大気の熱収支や運動に重要な役割を担っている.

気圧
気圧は高さと共に減少する(海面の平均気圧:1013hPa,圏界面:200 - 300hPa,成層圏上面:1hPa).これは気圧がある高さより上にある大気に働く重力によって生ずるためである.従って,地球大気の全質量の約7〜8割が対流圏に存在する.

大気の層構造
地球の大気は温度の構造により,対流圏,成層圏,中間圏,熱圏の4層に分けられる.
1.対流圏:
最下層の対流圏は10km程の厚さで大気の全質量の約8割を占める.自然環境を左右する様々な天気現象のほとんどは対流圏で起こっている.
2.中層大気:
対流圏のすぐ上の成層圏では,対流圏とは逆に上空ほど気温が高い(高度20 - 30kmに存在するオゾン層でオゾン(O3)分子が太陽からの紫外線を吸収し,大気を加熱するから).
気温は,成層圏界面(高度約50km)で極大となる.
極渦:北半球ならば北極側,南半球ならば南極側の極側にある低温で巨大な低気圧のこと.
対流圏に比べて,成層圏の循環は安定しているが,冬季には対流圏からの大規模な波動の影響で極渦が一時的に崩壊し,極域の気温が4 - 5日のうちに30 〜 40℃も上昇する成層圏突然昇温がたまに起こる.
成層圏の上にある厚さ約30kmの中間層では上空ほど気温が低い.高度約80kmの中間圏界面付近では,高緯度地域で夏季に上昇気流が強まり,冬季よりもさらに低温になる.ここで,形成された氷粒が夜光雲として観測される.
成層圏と中間圏を併せて中層大気と呼ぶ.
3.熱圏
中間圏の上の熱圏では,高さと共に気温が上昇し,高度200km以上では600℃を超える.電子密度が特に高い電離層が,熱圏には複数存在する.
流星:太陽系内に漂う塵が高速で熱圏に突入し,発光する現象.
熱圏ではオーロラ(極光)という発光現象も起こる.これには熱圏の外側に広がる磁気圏に入り込んだ高揚風の荷電粒子である.

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大気の構造と運動
大気の構造

2015年1月22日木曜日

[Earth Science] 地震と火山 造山運動

造山帯と安定地塊
大陸は全体的に平らであるが,大陸の内部やヘリに山がちな場所がある(ヨーロッパアルプスからヒマラヤへと続く列,6000 - 8000mを超える高山).こうした高い山の列は新生代にプレートの沈み込みがある場所か,その後に大陸が衝突した地帯である.地球の歴史から見ると数千万年という短い間にプレートの沈み込みや衝突によって速報に短縮する変形が行われた地帯が,現在,高い山の列になっている.

造山帯:比較的新しい時代に造山作用を受けた地域.
造山帯の多くは,自身の集中するところであり,また,火山も多く,地殻変動も著しいので,変動帯とも言われる.一方で,それほどの高さはないが,周囲より高い山の列が損じしている地帯がある(北アメリカ大陸東海岸のアパラチア山脈やオーストラリア大陸東海岸のグレートディバイディング山脈など).これらの地帯は,数億年前にプレートの沈み込みや大陸の衝突が起きて高い山の列になり,その後,浸食作用を受けて少し低くなり,深部でできた変成岩や花崗岩が露出している過去の造山帯である.

安定地塊(楯状地):数億年の間,プレート運動による変動をほとんど,あるいは全く受けていない地域(アフリカ大陸,オーストラリア大陸の大半,北アメリカや南アメリカの中央部など).

造山運動
海洋プレートは,水平に移動して,海溝で沈み込む(例えば,環太平洋の多くの場所では,海溝の沈み込みが起きている).
プレートの沈み込む地域では,海側のプレートが運んできた密度の小さい堆積物が大陸縁辺に付け加わって,付加体を作ることがある.
また,島弧の火成作用により列島に火山列を生じたり,深部では大量の花崗岩質マグマ(ケイ長質マグマ)の貫入が起こり広域変動帯が形成されたりする.そして,海洋プレートの沈み込みにより,プレート境界にはひずみが生じ,地震が発生し,断層や褶曲を伴う変形が起こって持ち上げられて山脈を作る.

太平洋型造山運動(コルジレラ型造山運動):花崗岩や変成岩の上昇を主とする造山運動のこと.
沈み込むプレートが大陸を載せていると,初めは海洋プレートが沈み込んで太平洋型造山帯を形成するが,沈み込む側の大陸が海溝に到達すると,大陸は密度が小さく軽いために,十分深くまで沈みこめず,沈み込まれる側の大陸と衝突する.大陸同士の衝突によって押し上げられた大陸地殻の一部は大規模に隆起して大山脈を形成する.

アルプス型造山運動(衝突型造山運動):プレートの衝突で起こる造山運動のこと.
アルプス型造山運動は大陸と大陸のぶつかり合いであり,その後,どちらかの大陸が下に潜り込んでいく.

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地震と火山
地震火成活動火成岩変成作用造山運動

2015年1月21日水曜日

[Earth Science] 地震と火山 変成作用と造山運動

変成作用
変成作用:地球内部の高温・高圧状態に置かれた岩石が基本的に固体状態のままで鉱物同士の化学反応が生じ,その条件で安定な新しい鉱物からなる岩石に変化する現象.

化学的風化では,高温で形成された火成岩を構成する鉱物が常温,常圧で水と反応して分解(加水分解)し,低温で安定な含水ケイ酸塩である粘土鉱物(粘土を構成する鉱物)に変化する.この化学反応は,高温で安定していた鉱物が低温で安定する鉱物に変化することを示している.そのため,熱を放出する発熱反応となる.
再結晶:低温低圧で安定な鉱物の集合体に熱や圧力を加えると,高温,または高圧で安定な新しい変成鉱物が形成される現象.新たに形成された変成鉱物は,その内部に熱エネルギーを吸収し,蓄えていることになる.
変成相:一定の複数の変成鉱物の組み合わせで示される一定の温度,圧力の範囲のこと.

変成鉱物が再結晶している際に大きな方向性のある力(地殻応力)が加わると,変成鉱物はその力の方向に支配された配列を取るようになる.その結果,剥がれやすい片理面の発達した結晶片岩や鉱物が面状に配列して,縞状の構造を持つ片麻岩などが形成される.変動帯で大規模に起こる変成作用(広域変成作用)では,多くの場合,方向性のある大きな地殻応力が働くため,結晶片岩や片麻岩が形成される.

接触変成作用
接触変成作用:冷たい地殻上部の岩石中に高温のマグマが貫入してくると,マグマと接する岩石はその熱で温められることで温度が上昇し,変成作用を起こす.このようなマグマと接触することで生じる作用のこと.
ホルフェンス:接触変成作用によって泥岩や砂岩などの堆積岩が再結晶すると,硬い緻密な岩石に変化する.この変化した岩のこと.
広域変成作用
広域変成作用:地殻内部の広域な領域の岩石がその場所の地温勾配の下に長く置かれると,その地温勾配に応じた変成作用を受けること.

プレート境界などの変成帯で広域変成作用が生じる場合,同時にその場所での地殻応力によって変成作用を受け,薄く剥がれる構造(片理)の発達した結晶片岩が形成される.薄く剥がれる面を片理面という.

広域変成域:広域変成作用によって結晶片岩などの変成岩が形成された地域のこと.広域変成たいは低温高圧型,高温低圧型,そしてそれらの中間型に区分される.

プレートの沈み込みと変成帯
地球上の広域編成帯の多くは,プレート沈み込み境界で形成される.
低温高圧型は,冷たいプレートの沈み込む場所(地殻熱流量が小さく,地温勾配も小さい,圧力が増加しても温度はあまり上昇しない海溝近傍のプレートの沈み込む場所)で,プレートによって地下深く引きずり込まれた堆積岩に見られる.
高温低圧型は,地下の浅い場所で非常に高温な場所(地殻熱量が高く,地温勾配が大きい,火山帯の地下,すなわち高温のマグマが上昇してくる火山帯の地下のような場所で形成される.

沈み込むプレートの性質は,そのプレートの形成年代によって異なる.年代の古い十分に冷えたプレートが高速度で沈み込む場合には,低温高圧型編成帯が形成される.年代の若い,暖かいプレートが低速度で沈み込んだ場合には,中間型の広域編成帯が形成される.また,プレート衝突境界の地下でも地温勾配がそれほど小さくならず,中間型広域編成帯が形成される可能性がある.


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地震と火山
地震火成活動火成岩変成作用

2015年1月20日火曜日

[Earth Science] 地震と火山 火成岩

鉱物
火成岩:マグマが冷却してこかしたもの.火成岩は主に鉱物によって構成される.
造岩鉱物:鉱物は原子が規則正しく配列した決勝からなる.岩石を形作る鉱物を象嵌好物と呼ぶ.主要な造岩鉱物にはカンラン石,輝石,角閃石,黒雲母,長石,石英などがある.
ケイ酸塩鉱物:大部分の造岩鉱物はケイ素(Si)や酸素(O)を主成分としてこれに他の元素が加わった化合物で,これらをケイ酸塩鉱物という.

ケイ酸塩鉱物の構造
ケイ酸塩鉱物は1個のケイ素が4つの酸素に囲まれたSiO4四面体が基本となっている.SiO4四面体は隣り合う酸素を共有して連結し,ケイ酸塩鉱物の骨格を形作る.ケイ酸塩鉱物では骨格となるSiO4四面体あるいはSiO4四面体の複合体の間を埋めるように鉄(Fe),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na),カリウム(K)などの陽イオンが配置されている.

苦鉄質好物とケイ長質鉱物
火成岩は苦鉄質鉱物とケイ長質鉱物からなる.
苦鉄質鉱物:鉄やマグネシウムを含む黒っぽい鉱物(有色鉱物)であり,カンラン石,奇跡,角閃石,黒雲母などからなる.
ケイ長質鉱物:鉄やマグネシウムを含まない白っぽい鉱物(無色鉱物)であり,斜長石,カリ長石,石英などからなる.
苦鉄質鉱物は密度が大きく,ケイ長質鉱物は密度が小さい.

火山岩と深成岩
火成岩には火山岩と深成岩がある.
火山岩:地表や地下の浅いところで急速に冷えてできた岩.マグマが急速に冷却すると鉱物の結晶は大きくなることができず,流刑は小さくなる.火山岩は斑晶と細粒の石基からなる斑状組織を示す.斑晶は固化する前のマグマに含まれていた結晶であり,石基はマグマが急冷してできた細粒の結晶とガラスからなる.
深成岩:地下の深い所でゆっくりと冷えてできた岩.マグマがゆっくり冷えると,結晶化した鉱物の粒径は数mmから数cmと大きく,粗粒で粒径の揃った結晶の集合体(等粒状組織)隣,ガラスは含まれない.
自形:鉱物がマグマ中で自由に成長すると,鉱物本来の形態を持った結晶となる.この形態を自形という.
半自形:自形の結晶が成長を続け,互いに接するようになると,部分的に自由な成長を妨げられた形を示す携帯のこと.
他形:最後に結晶化する鉱物は,すでに成長した鉱物の粒の間を埋めるようになり,鉱物本来の形態を取れなくなる.こうした鉱物の形態のこと.

最初に結晶化した融点の高い鉱物は自形となり,最後に結晶化した融点の低い鉱物は他形となる.

岩脈と岩体
岩脈,岩床:マグマが地下深部から割れ目を通って上昇し,割れ目を満たしたマグマが冷えて固まったもの.岩脈や岩礁は火山岩からなることもあるし,深成岩からなることもある.
貫入岩体:上昇してきたマグマが,マグマ黙りを作ってゆっくりと固化したもの.深成岩からなる.

火成岩の分類
苦鉄質岩:苦鉄質鉱物(カンラン石,輝石,角閃石,黒雲母)に富む火成岩.
ケイ長質岩:ケイ長質鉱物(石英,長石類)に富む火成岩.
中間質岩:苦鉄質岩とケイ長質岩の中間のもの.
超苦鉄質岩:ほとんど苦鉄鉱物だけからなる火成岩.

深成岩は粗粒の鉱物の集合したものなので,構成鉱物の量比によって分類できる.
火山岩は斑晶と石基からなり,石基は細粒の結晶とガラスからなるので,構成鉱物の量比によって火山岩を分類することは難しいので,SiO4量によって分類する.

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地震と火山
地震火成活動火成岩

2015年1月19日月曜日

[Earth Science] 地震と火山 火成活動

火山
火山は地下で生成されたマグマが上昇し,地表に到達した時点で形成される.火山が形成される場所では,マグマが冷やされて固化することでその熱を放出する.

火山噴火の仕組み
地下深部のマントルや地殻が形成されたマグマは周囲の岩石よりも密度が小さいので浮力で上昇する.地下の浅い場所まで到達し,周囲の岩石の密度が小さくなるとマグマの密度が小さくなるとマグマの密度と周囲の岩石の密度がつり合って上昇を停止し,マグマ溜まりが作られる.
マグマには多量の水(H2O)を始め二酸化硫黄(SO2),二酸化炭素(CO2)などの火山ガス成分が溶け込んでいる.

マグマの発生と上昇
物質の融点や沸点は圧力によって変化し,圧力が高くなると融点も沸点も上昇する(固体では規則正しく配列していた原子が,融点を超えると無秩序な配列に変化する.圧力が高まると押さえつけられていることで原子の自由な運動が妨げられ,融解しにくくなるので,融点の温度は上昇する).
マグマの生成:固体である岩石は,融点を超えると融解して液体であるマグマに変化する.
部分融解(部分溶解):岩石が溶けてマグマとなる際には,全て溶けてしまう場合は少なく,一部,鉱物が溶け残ることが普通で,この状態のことをいう.

岩石が融解されるのには

  • 減圧融解:圧力は変えず,温度を上昇させる方法
  • 加水融解:水のような融点を下げる物質を加える方法

の2通りの方法がある.

反転流:プレート沈み込み境界では,沈み込むプレートに引きずられて,その直上のマントルも沈み込む.すると,その分を埋め合わせるように深部の高温のマントルが上昇すること.

沈み込むプレートの上面は海水と接していたことが,含水鉱物などの形で多量の水が含まれている.含水鉱物などはプレートが沈み込み,温度圧力が増大することで脱水され,沈み込むプレートの上のマントルに水を供給する.プレート沈み込み境界では,こうした高温の反転流の減圧融解と供給された水による加水融解によってマグマが生成されると考えられる.

マグマの多様性とその成因
融解によって生じるマグマの性質は,起源物質の違いや生成条件の違いにより多様である.
マントルはかんらん岩からなる,かんらん岩の融解によって生じるマグマは,基本的には玄武岩質である.一方,近くの融解によって生成されるマグマはケイ長質または安山岩質である.
融解で生じたマグマの生成は地表に到達するまでの過程で結晶分化作用,同化作用,およびマグマ混合などによって多様性を増す.

マグマの分化:マグマ生成後に何らかのプロセスによってマグマの化学組成が変化すること.
結晶分化作用:マグマが冷却し,結晶が晶出することで残液の組成が変化すること.玄武岩マグマの結晶分化作用では,ケイ長質マグマが生成される.
同化作用:マグマが地殻物質を取り込むことでその化学組成を変化させること.
マグマ混合:異なる化学組成のマグマが混合して中間組成のマグマが生成されること(e.g. 玄武岩質マグマと流紋岩質マグマが混合して安山岩質マグマが生成される).

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2015年1月18日日曜日

[Earth Science] 火山と地震 地震

地震は地殻やマントルに蓄積したひずみが一瞬で解放されることによって発生する.地震が起きると,地震波が地球全体に伝わっていく.この地震波から

  • 揺れの大きさをはかるものさしである震度
  • 地震の開始地点である震源
  • 地震の規模をはかるものさしであるマグニチュード

が求められる.また,地下にどのような力が加わっているのかも知ることができる.

地震波発生のしくみ
地震発生と同時に,断層面上にある震源から地盤のズレが開始する.ズレは約 3km/s の速度で拡がっていく.このズレによる衝撃により地球が揺らされ,地震波となり,地球の中を伝わっていく.

震度
震度:地震による各地点の揺れの強さをはかるものさし.
日本で使用されている震度階級は,10段階の気象庁震度階級である.

地震波の性質
P波:初めに観測点に到達する波(岩石中を伝わる速度:約5$\sim$7 km/s).
S波:次に観測点に到達する波(岩石中を伝わる速度:約3$\sim$4 km/s).
表面波:S波の後に地球表面を伝わって観測点に到達する波(岩石中を伝わる速度:約5$\sim$7 km/s).

震源の決定
震源:地震による断層のズレは,断層上の断層上の1点から開始する.この開始点を震源という.
震央:震源の真上の地表の点.
震源距離:震央から観測点までの距離.
震央距離:震央から観測点までの距離.
初期微動継続(P-S時間):P波とS波の到着時間の差.

震源距離 D[km] に比例して,初期微動継続時間 T[s] は長くなるので
$D = k T$ (震源距離に関する大森公式)
となる.比例定数 $k$[km/s] は地震波の速度によって決まり,地域によって異なり,日本付近では6$\sim$8km/s である.

初期微動継続時間 T がわかれば,震源は観測点を中心とした半径Dの半球上に存在することになる.従って,3つの観測点で初期微動継続時間を調べれば,震源の位置を決定できる.

地震の情報
地震を表現する基本的な情報は,震源(地震の開始点),震源時(P波とS波の到達時間から求めることができる),マグニチュード(M,地震の規模を表現するものさし)である.
マグニチュードは,観測された地震波の最大振幅を震源までの距離によって減衰した効果を補正した値Aの常用対数によって定義され
$M = \log_{10}A$
となる.一方で,断層運動のエネルギーEからもマグニチュードを求めることができる.このときマグニチュードは
$M = \cfrac{1}{1.5} \log_{10}E + c$
となる.つまり,マグニチュードが1大きくなると,地震のエネルギーは約32($= 10 \sqrt{10}$)倍大きくなる.

本震と余震
本震:地震の群れで最も大きい地震.
前震:本震より前に起こった地震.
余震:本震の後に起こった地震.本震によって生じた局所的な歪みを解消するために発生していると考えられている.
余震域:余震が発生する領域.余震域は本震で断層がズレた領域とほぼ一致する.

震源メカニズム
震源メカニズム:地震を起こした断層がどのように動いたかという地震波が発生するメカニズム.
一般に断層運動は地震が発生した地点の力の状態を反映している.

  • 断層が地表に到達している場合,地表調査によりどのタイプの断層なのかを調べることができる.
  • 断層が地表に達していない場合は,地震波から初動を調べ,どのような断層運動だったかを推定する.
図のように断層が動いた時について考える.

断層の動きを震源メカニズム解で表す

図において,領域AとCを通るP波を考える.
断層のズレにより,押し出される領域なので,疎密波であるP波の初動は,外に押し出される形となる.逆に領域BとDを通るP波の初動は中に引き込まれる形になる(押し,引きの分布によって4つの領域に分けられる).

断層運動は3次元で考える必要があるので,震源を中心とする球(震源球)を考える.

震源球に押し引きの分布をプロットすると,4つの領域に分けることができる.4つの領域を分ける平面は2つあるが,そのうちの1つが断層面となる.もう1つの面は,補助面と呼ばれる.この球の下半分を2次元に投射したものを震源メカニズム解と呼ぶ.
P波初動の分布と震源メカニズム解

この震源メカニズム解からは,2つの断層面が求まるが,実際にどちらの断層面が動いたかは判断できない.しかし,この震源メカニズム解から正断層,逆断層,横ずれ断層のいずれかであるかを判断できる.

震源から押し出される領域の中心を結ぶ軸をT軸,震源へ引き込まれる領域の中心を結ぶ軸をP軸と呼ぶ.震源はT軸方向に引張られており,P軸方向に圧縮されている.

地震の起こる場所
地震が活発に起こっている地域は,プレート境界に沿って線状に並んでいるように見える(2つのプレートが別々の方向にすれ違っているために生じる歪みを地震が解放する).

深層地震面
海底で沈み込むプレート(スラブ)は周囲のマントルと比べて温度が低い.よって,沈み込むプレート(スラブ)の内部でひずみを蓄えることができ,地震が発生する.深い場所で発生する地震のほとんどは,沈み込みプレート(スラブ)内部で発生する地震である.沈み込むプレート(スラブ)内部のみで発生するために深発地震は面状に分布し,これを深発地震面という.
沈み込むプレート(スラブ)で地震が発生する領域は,二重(スラブの上面と下面)になっており,この2つの面を二重深発地震面と呼ぶ(上の面は沈み込む方向に圧縮されているタイプの地震が下の面では沈み込む方向に引っ張られているタイプの地震が発生する).

地震の原因
深い所で発生する地震の場所は,プレート境界とプレート内部で発生するものに分けられる.
プレート境界で発生する地震は,プレート間の動く方向のズレを反映する.プレートとプレート間の一部は強く固着して,膨大なひずみが蓄積されており,そのひずみが地震時に一気に解放される.このように固着していて,地震時に大きくずれる領域をアスペリティという.


変動地形
海岸段丘:海岸沿いで見られる何段もの階段状の地形.巨大地震の時にそれまで海面すれすれだった海食台(波食台)が隆起して陸地となることを繰り返して海岸段丘が形成される.
河岸段丘:大きな河川の所々に残された段々の地形(過去の河川の跡で,一般に高い位置の段丘ほど古い時代のもの).
活断層地形:内陸で大きな地震が起きると,地表面がズレることがある(地震断層).これが繰り返し起きて地表に生じた地形.
活断層:最近数十万年間に繰り返し活動した地震断層で,今後も活動する可能性があるもの.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
プレートテクトニクス
プレートテクトニクス成立の歴史プレートテクトニクスプルームテクトニクス地震

2015年1月17日土曜日

[Earth Science] プレートテクトニクス プルームテクトニクス

ホットスポットとプルーム
ホットスポット:プレート境界でないところで火山活動が活発な地域(例:ハワイのキラウェア火山 - プレート境界から遠く離れている-).
プレートは年に数cm動くが,ホットスポットの位置はほとんど変化しない.そのため地表には列になったホットスポットでできた火山やその痕跡が存在する(ハワイ諸島,天皇海山列).


プルーム:ホットスポットの下には,地下深部から物質が上昇する経路が存在する.この経路をプルームと呼ぶ.プルームの根はマントルと核の境界付近の非常に深い所に存在すると考えられ,地球深部で温められて,軽くなった物質が上昇している.

一般に岩石は熱を伝えにくく,熱を効率よく運ぶには,岩石が移動する必要がある.地球ではプルームを通って地下の高温の物質が上昇することで,地球内部に蓄積されている熱を効率よく地表に運んでいる.

マントルに沈み込むプレート
地震波ともグラフィより明らかになった,日本列島周辺のマントルに見られる地震波の高速度異常域は沈み込んだ過去のプレートの残骸であると考えられている.日本列島周辺の奥深くには,過去のプレートの残骸が詰まっており,丁度その場所に地震波の高速度異常があると考えられる.

スーパープルーム
スーパープルーム:マントルに見られる巨大な柱状の形態はマントルの物質の対流を示す.これをスーパープルームと言う.スーパープルームはアフリカと南太平洋の二つの地域の下のマントルに認められ,そこでは深部マントル物質が上昇している.
コールドプルーム:アジア大陸の下にはマントルを加工する巨大な低温の流れがある.これをコールドプルームと言う.

地球内部の大局的な運動は,これらマントルにおける二つの大規模な流れによって支配されていると考えられており,このような考えをプルームテクトニクスと言う.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
プレートテクトニクス
プレートテクトニクス成立の歴史プレートテクトニクスプルームテクトニクス

2015年1月16日金曜日

[Earth Science] プレートテクトニクス プレートテクトニクス

プレートの実体
プレートの実体は,リソスフェアと呼ばれる硬い岩層で,その下にはアセスノフェアと呼ばれる流れやすく軟らかい岩層が存在する.
プレートは流動しやすいアセスノフェアの上を滑るようにして動いている.プレートとプレートは互いに異なる方向に動いているために,様々な現象がプレート境界に沿って発生し,大地形を作り出していることが分かっている.

プレートの境界
地球上の大地形のうち,最も特徴的なものは中央海嶺と海溝である(これらはいずれも太陽系地球型惑星の中では地球にしか見られない).
中央海嶺はプレート拡大(生産)境界,海溝はプレート沈み込み(消費)境界に相当している.
  • 中央海嶺:中央海嶺ではプレートが引張られてできた割れ目をマントル物質期限のマグマが満たすように上昇し,プレートが生産される.中央海嶺は,地球上で最も火山活動が活発な場所であるが,海底にあるためその火山活動は目立たない.
  • 海溝:冷たくて重くなったプレートが地球内部へと沈み込んでいくプレート消費境界に当たる.海溝付近にも活発な火山活動が見られる.
  • トランスフォーム断層:移動するプレート同士がすれ違うプレートすれ違い境界には,横ずれ断層の一種であるトランスフォーム断層が形成される.

プレートの分布
プレートは互いに異なる方向に移動しているために,プレートとプレートの間にはひずみが溜まり,その歪みを解放するために自身が発生する(結果として,プレート境界をなぞるように地震が発生する).

火山の分布
活動の活発な火山は限られた地域にしか存在しない.
火山フロント(火山前線):海溝側で火山が現れ始める場所を結んだ線のこと.
火山帯:火山の分布域のこと.

火山は火山フロントに密集していて,そこから内陸側に離れるほどその分布はまばらになる.日本列島には,太平洋プレートの沈み込みに対応した東日本火山帯とフィリピン海プレートの沈み込みに対応した西日本火山帯がある.

海洋のプレートの成長と運動
プレートの拡大境界は中央海嶺のように改定に盛り上がる山脈として観測できる.この境界を両側に引張る方向に力が働いているため,海嶺の下から物質が受動的に上がってきている.
一般に,物質の融点は圧力が低くなると下がる.地球の深部から上がってきた高温の物質は圧力の低下によって溶けてマグマとなり,火山活動を活発にして海洋の近くが形成される.プレート拡大境界で生産された海洋のプレート(リソスフェア)は,水平方向に移動する間に冷やされていく.海洋のプレートの表面だけでなく,海洋のプレートの下のアセスのフェアも冷やされて行くために,アセスノフェアの上部は硬くなり,海洋のプレートに取り込まれる.科学組成は変化せず,温度が下がるだけなので,新たに海洋のプレートに取り込まれた部分は,その下のアセスのフェアより密度が大きくなる(密度が大きく硬い板-海洋のプレート-が密度が小さく流動する層-アセスのフェア-の上に乗っている不安定な状態になっている.そのため,海洋のプレートはプレート沈み込み境界で地球の深部に向かって落ちるように沈み込んでいく.沈み込む海洋のプレート(スラブ)は同じ深さのマントルに比べて冷えているために重いので海洋のプレートを下へと引張る.このようにして海洋のプレートは移動し,中央海嶺では新たに海洋プレートが生産される.

海洋底の地形
海洋底の地形は,プレートが生産される中央海嶺から離れるに従い深くなる.深くなっている割合を調べると,はじめは大きく変化して,そのうち一定の値に近づいていく.
海洋底が深くなっていることと,プレートの厚さと平均的な密度は強く関係している.海洋底ではアイソスタシーが成立しているために,プレートの密度が大きな所では,沈み,密度の小さなところでは盛り上がる(中央海嶺周囲で盛り上がっているのは,生成直後のプレートの厚さが薄く軽いためであり,時間とともにプレートが成長して重くなっていくに従い,海洋底は深くなる).
プレートの水平方向の成長速度は古地磁気の研究によって地磁気逆転の歴史が調べられていることから,多くの場所で1$\sim$10 cm/year程度であることがわかっている.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
プレートテクトニクス
プレートテクトニクス成立の歴史プレートテクトニクス

2015年1月15日木曜日

[Earth Science] プレートテクトニクス プレートテクトニクス成立の歴史

プレートテクトニクスでは「地球は複数の硬いプレートに覆われていて,そのプレートが水平に動くことによって,自身・火山活動・造山運動が起き,地球表面の構造が作られている」と考えている.

ウェグナーの大陸移動説
ウェグナー(1880 - 1930)は現在の大陸を適当に移動させてみると,海岸線の形が一致することに気づき,1912年に大陸移動説を発表した.

大陸移動説の復活
古地磁気学:岩石は,形成された時代の地磁気の情報を残留磁気として持っている.この情報を使って昔の地磁気を研究する分野.
極移動:岩石試料に保存されている残留磁気を測定すると,偏角と伏角からその岩石が作られた時代の見かけの地磁気極の位置を求めることができる.色々な時代の岩石から求めた地磁気曲の位置は年代と共に移動している.

海洋底拡大説
海洋底拡大説:中央海嶺では地球内部からマグマが上昇して海洋近くが生まれ,海嶺の両側に向かって水平方向に移動し,海溝で沈み込むというアメリカのヘストディーツが提案した考え.

大西洋では,大西洋中央海嶺を中心とする海洋底の拡大とともに東西両側の大陸は移動することとなり,ウェゲナーの大陸移動の結果を説明できる.海洋底は全体として見ると絶えず更新されており,大陸のような古い年代を持つ近くは海洋底では存在しないことになる.

イギリスのヴァインとマシューズは地磁気極が常に自転軸とほぼ一致しているが,その極性は頻繁に反転する.この地磁気の斑点は,海嶺で常に生成されている海洋近くに磁気以上の縞模様となって記録されていると考えた(記録されている縞模様は,海嶺を挟んで対照的).

海洋近くの年代は,40億年前まで遡ることができる大陸地殻に比べて非常に新しい.大陸近くに古い時代の岩石が分布しているのは,大陸地殻が載っている大陸のプレート密度は十分に小さいために,地下深くは沈み込みにくいためである.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
プレートテクトニクス
プレートテクトニクス成立の歴史

2015年1月14日水曜日

[Earth Science] 地球の内部 地殻熱流量

地温勾配
地温勾配(地下増温率):地表から地下深くへと進むにつれて周囲の岩石の温度が上昇することを地温勾配という.地温勾配が存在するのは地球内部が高温(マントルの深さ1000kmほどで約2000℃程度,マントルと核の境界で約3000℃程度,中心部で約5000℃程度)で,内部の熱が熱伝導によって冷たい宇宙空間へと移動して地球が冷却されているため.

地殻熱流量
地殻熱流量:地球は内部ほど温度が高いので,高温の内部から低音の地表へ熱が流れ出ている.この地表に流れる熱量のことを地殻熱流量という.地殻熱流量は単位面積を単位時間に流れ出る熱量で表し,単位は W/m$^2$.1Wは1秒間当たりに1Jの熱量が流れ出たことを表す.

  • 地球全体の地殻熱流量の平均値:約 0.085 W/m$^2$
  • 地殻熱流量の平均値:約 0.065 W/m$^2$
  • 地殻熱流量の平均値:約 0.1 W/m$^2$


海洋地域においても,プレート拡大境界である中央海嶺付近で最も高く,中央海嶺から遠ざかるにつれて低くなる.これはマグマが上昇してプレートが生産される中央海嶺付近が最も熱く,プレートが移動するにつれて冷やされ,密度を増し,最も冷たくなっている場所で沈み込んでいくためである.

地球内部の熱源
地球内部の熱源として考えられるのは,地球が形成されるときに蓄えられた熱エネルギーと,地球内部の放射同位体の放射制崩壊によって生成された熱エネルギーである.

放射性同位体は,放射線を出して崩壊していくが,この放射線の放出が発熱の原因となる.地球内部に存在するウラン(U),トリウム(Th)やカリウム(K)などをはじめとする様々な放射性同位体の放出する熱が地球内部の熱源となる.

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地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量

2015年1月13日火曜日

[Earth Science] 地球の内部 地球内部の状態と構成物質

地球内部の温度・密度・圧力
一般に化学組成が変化すると,密度が不連続に変化し,同じ化学組成でも圧力が加わることによって,密度も大きくなる.地球内部の圧力は,上に積み重なる岩石の重さによって,深さとともに増加するので,深くなればばるほど密度は増す(地球中心の内部:約17g/cm$^3$,圧力:約4 $\times$10$^11$ Pa).

地球内部の化学組成
地殻:地殻の構造は大陸と海洋で大きく異なる.大陸地殻は厚さ30 - 50kmで,花崗岩質岩石の上部地殻と玄武岩質岩の下部地殻に分けられる.海洋地殻はほとんど玄武岩質で厚さ 5 - 10km.
マントル:深さ400 - 700 kmの遷移層を挟んで,上部マントルと下部マントルに分けられる.上部マントルは地震波速度やマグマの組成などから,カンラン石と輝石を主とするカンラン岩からなると考えられる.下部マントルでは圧力の増加によりこれらの鉱物は,高圧で安定な結晶構造を持つ好物に変わっている.
:主として鉄からなり,ニッケルも含まれていると考えられる.核は液体の外核と固体の内核に分けられる.地球の冷却と共に,液体の核が中心部から徐々に固化し,内核が成長してきたと考えられる.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常
地球の内部
地球の内部の状態と構成物質,・

2015年1月12日月曜日

[Earth Science] 地球の内部 地球の内部構造

地震波の伝播
地震が起こると震源から波(地震波)が地球内部を伝わって行く.地球内部を伝わる波には縦波と横波の2種類がある.

P波:はじめに観測点に到達する波.波の進む方向に振動する縦波.固体,液体,気体中を伝わる波.
S波:次に観測点に到達する波.波の進む方向と直角な方向に振動する横波.固体中を伝わる波.
表面波:S波の後に地球表面を伝わって観測点に到達する周期の長い波.表面波はP波やS波と異なり,距離によって振幅が小さくなりやすい.
P波,S波,表面波
観測された地震波

地球内部を伝わるP波,S波の進行方向は光のように屈折したり,反射したりする.地震波の伝わる速度が遅い層から速い層に地震波が斜めに入射すると下に凸となるように屈折する.逆に地震波の伝わる速度が速い層から遅い層に地震波が斜めに入射すると上に凸になるように屈折する.
P波とS波の伝達と到達時間


走時曲線
地震波の観測によって,地球内部の地震波が伝わる速度の分布がわかる.
走時:地震波が観測点に到達するまでの時間
走時曲線:横軸に震央から観測点までの距離を取り,縦軸に掃除をとってグラフにしたもの.
走時曲線

モホロビッチ不連続面(モホ不連続面):モホロビッチが明らかにした,地下約50kmの深さにある,地震波の速度が急激に増加する不連続面.
地殻:モホロビッチ不連続面より浅い部分.
マントル:モホロビッチ不連続面より深い部分.

地球の層構造
角距離:震央距離が1000kmを超えるような遠地地震では震央と観測点をそれぞれ地球の中心と直線で結んだ際の,この2直線のなす角度.Δと表現されることが多い.

核(コア):マントル深部の深さ約2900kmの不連続面より深部のこと.不連続面以深はP波速度が遅くなる.
外核:核の外側の部分.外核の最深部には不連続面があり,その深さは約5100km.
内核:外角より深い部分.内閣は固体であるため,P波の速度は外核と比較して急増する.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力重力異常地球の磁気重力異常,地球の内部構造

2015年1月11日日曜日

[Earth Science] 地球の構成と内部エネルギー 地球の磁気

地磁気
地磁気:地球の磁石による磁気
双極子磁気:棒磁石で形成される磁場
双極性磁場
地磁気の三要素
全磁力:地磁気の強さ.ある場所の地磁気は向きと強さ(大きさ)を持っている.水平方向の強さを水兵分力,鉛直方向の強さを鉛直分力と呼ぶ.
偏角:水平分力が真北からずれる角度
伏角:地磁気の向きと水平面のなす角度
全磁力,水平分力,鉛直分力,偏角,伏角の5つの要素のうちの3つによってその場所の地磁気が定まるとき,その3つを地磁気の三要素という.全磁力,偏角,伏角の3つを用いることが多い.
地磁気の5つの要素

日本周辺の地磁気の分布

地磁気の変化
地磁気は規則的に日変化する(上空の電離層の中を流れる電流が不均一であり,その電流系が地球の自転とともに移動するから).
地磁気には,数十年異常の長い時間スケールの変化も見られ,これを永年変化という.永年変化は地球内部の外角の流体運動が変化することに原因があると考えられている.
地磁気の成因
ダイナモ理論:電流の周りには磁場が作られることが知られており,地磁気の原因も地球内部で絶えず発電され,流れる電流が原因とする考えのこと.

残留磁気と地磁気の逆転
残留磁気:溶けたマグマが地表や海底に噴出し,冷却する家庭でマグマに含まれる強磁性好物がその地点の地磁気の方向に変化する.このようにして獲得した磁気はその後も保持される.堆積岩も堆積時の地磁気を記録している.
熱残留磁気
熱残留磁気は強磁性鉱物を含む高温の岩石が冷却することにより岩石が獲得する磁化
堆積残留磁気
堆積残留磁気は磁性を持った鉱物が堆積し堆積岩となる際に地磁気の方向に揃うことによって獲得される磁化

磁気異常:現在のじきを計算すると残留磁気などの影響によって標準的な磁場と外れた値が得られること.

磁気圏
太陽風:地球周辺の空間には,太陽から飛来する荷電粒子の集まりであるプラズマ(正と負の荷電粒子の集団,全体としては電気的に中性)の流れのこと.フレアが発生したときに通常よりも密度が大きく高速の太陽風が放出される.
磁気圏:地球に吹き付ける太陽風は,地球磁場の影響を受けて曲げられ,地球の周りを避けて通る.太陽風の影響が及ばない領域では地球の作り出す磁場が支配的となる.この領域を磁気圏という.
バレアン帯:磁気圏の下部(内部)では,容姿や電子が地球の磁力線に捉えられて,2つのドーナツ状に地球を取り巻いて高速で飛び回っている.このドーナツ状の帯をバレアンたいという.
磁気嵐:太陽風は一定ではなく,太陽の活動によって変化する.太陽風が高速・高密度になると磁気圏は押されて縮み,地磁気も激しく変化すること
オーロラ:磁気嵐でプラズマが地球の磁力線に沿って高緯度地域の大気に侵入することがあり,そこで大気粒子と衝突すると発光現象が起こること.

過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
地球の形と重力重力異常,地球の磁気

2015年1月10日土曜日

[Earth Science] 地球の構成と内部エネルギー 重力異常

標準重力と重力異常
標準重力:地球の形を地球楕円体と仮定した時の引力と遠心力の合力.
重力異常:地下の密度の不均一によって実際の重力の測定値が標準重力からずれた大きさ(引力は物体の質量に比例して大きくなるので,地下に密度が大きい物体が存在する場所では局所的に重力が大きくなる).

重力補正
重力補正:重力の測定値を他の地域と比較するために,実測値をジオイド面の値に変換すること.重力補正は以下の3段階で行われる.
  1. フリーエア補正:引力は重心からの距離の2乗で小さくなる(c.f. $f = G \frac{Mm)}{r^2}$).この効果を取り除いてジオイドにおける重力値に変換すること.
  2. 地形補正:地形による効果を測定値から取り除き,ジオイドと並行な地形における重力値に変換すること.
  3. ブーゲー補正:測定点とジオイド面の間には,物質が存在するために引力をもたらす.測定点とジオイドの間にある物質の密度と平均的な近くの密度と仮定して測定値から取り除くこと.

フリーエア補正の例:重力は1m高くなるごとに約$3.086 \times 10^{-6}$[m/s$^2$]小さくなる.よって,ジオイド面から高度H[m]での重力はジオイド面での重力よりも$3.086 \times 10^{-6} \times H$[m/s$^2$]だけ小さくなる.
地形補正
ブーゲー補正

フリーエア異常とブーゲー異常
フリーエア異常:ある測定点での重力の実測値をフリーエア補正した値と標準重力との差.測定点の下にある物質が均質な時にはフリーエア異常は見られない.
ブーゲー異常:ある測定点での重力の実測値をフリーエア補正,地形補正,ブーゲー補正した値と標準重力との差.

フリーエア異常の例:プレート境界では,プレートの強制的な沈み込みによってアイソスタシーが成立せず,著しいフリーエア異常が見られる.

ブーゲー異常
日本のブーゲー異常
過去の地学関連のメモ
地球の形と重力

2015年1月9日金曜日

[Python] 指数関数,対数関数の計算

Pythonで指数関数,対数関数の計算を行うために,mathモジュールを使用してみた際のメモです.
まずは,ターミナルでPythonを立ち上げます.
$ python3

ネイピア数$e$(自然対数の底)は,mathモジュールの中で定数として用意されていて,math.e で表されます.
>>> import math
>>> print(math.e)

2.718281828459045

指数関数
自然対数の底$e$(ネイピア数)のべき乗を計算するには,math.exp()を使います.以下は$e^{2}$を表示してみた例です.
>>> print(math.exp(2))
7.38905609893065

math.exp(x) は math.e ** xとは等価でないようです.math.exp(x)のほうが正確な値が得られるそうです.
>>> print(math.exp(2))
7.38905609893065
>>> print(math.e**2)
7.3890560989306495
>>> print(math.exp(2) == math.e**2)
False

対数関数
一般的な底を持つ対数関数を計算するには,math.log(), math.log10(), math.log2() を使います.また,math.log(x, y)はyを底としたxの対数を返します.

自然対数の例
底を省略すると,自動的に自然対数になります.
>>> print(math.log(math.e))
1.0
>>> print(math.log(math.e, math.e))

1.0
自然対数の場合は,底を記載しても省略しても同じ値が返ってくるようです.
>>> print(math.log(math.e, math.e) == math.log(math.e))
True

常用対数の例
>>> print(math.log10(100000))
5.0
常用対数の場合も,底を記載しても省略しても同じ値が返ってくるようです.
>>> print(math.log10(100000) == math.log(100000, 10))
True

2進対数の例
>>> print(math.log(1024, 2))
10.0
2進対数の場合も,底を記載しても省略しても同じ値が返ってくるようです.
>>> print(math.log2(1024) == math.log(1024, 2))
True

底を指定する対数の例
>>> print(math.log(25, 5))
2.0

2015年1月8日木曜日

[Python] NIEDのASCIIフォーマットデータを変換(単位:gal)してcsvファイルに書き出す

防災科学技術研究所(NIED)のKiK-net,K_NETの強震観測データ(加速度)は,gal単位の加速度をスケールファクターで除算した値で記録されています.
取り扱い(図化することを想定)上,記録にスケールファクターを乗じて変換した方が扱いやすいので,変換結果を.csv形式のファイルに書き出すプログラムです(KiK-netのデータを変換することを想定し,一応,動きますが,もっとスマートな書き方があると思うので,今後,改良を加えていく予定です).
プログラム内の'***'はNIEDからダウンロードしたKiK-netのデータ名を表しているので,随時書き換えが必要です.また,これらのデータは,下記のプログラムと同じ階層に置かれているものとしています.

# Initial setting
import numpy as np
import csv

# Function 'getKiK-net'
def Convert2Acc(data):
    tokens = data.split()

    # Scale factor
    (Scale, Factor) = tokens[tokens.index('Factor')+1].split('(gal)/')

    # Strong motion
    items = tokens[tokens.index('Memo.')+1:]

    rdata = np.array(items, dtype=np.float64)   # rdata: raw data
    acc_gal = (rdata - rdata[0]) * float(Scale) / float(Factor)

    return acc_gal  # acc_gal: Acc. converted unit into gal

# Read data filess
rfile_EW1 = './KiK_net/KMMH041604160125.EW1'
fr_EW1 = open(rfile_EW1, 'r')
EW1_gal = fr_EW1.read()
fr_EW1.close()

rfile_NS1 = './KiK_net/KMMH041604160125.NS1'
fr_NS1 = open(rfile_NS1, 'r')
NS1_gal = fr_NS1.read()
fr_NS1.close()

rfile_UD1 = './KiK_net/KMMH041604160125.UD1'
fr_UD1 = open(rfile_UD1, 'r')
UD1_gal = fr_UD1.read()
fr_UD1.close()

rfile_EW2 = './KiK_net/KMMH041604160125.EW2'
fr_EW2 = open(rfile_EW2, 'r')
EW2_gal = fr_EW2.read()
fr_EW2.close()

rfile_NS2 = './KiK_net/KMMH041604160125.NS2'
fr_NS2 = open(rfile_NS2, 'r')
NS2_gal = fr_NS2.read()
fr_NS2.close()

rfile_UD2 = './KiK_net/KMMH041604160125.UD2'
fr_UD2 = open(rfile_UD2, 'r')
UD2_gal = fr_UD2.read()
fr_UD2.close()

# Store data in array
# _Acc: 2D Array
_Acc = [Convert2Acc(EW1_gal), Convert2Acc(NS1_gal), Convert2Acc(UD1_gal),\
       Convert2Acc(EW2_gal), Convert2Acc(NS2_gal), Convert2Acc(UD2_gal)]

Acc = np.array(_Acc).T # Acc: Transposed 2D array to write to .csv file

# Write to .csv file
with open('test.csv', 'w') as file:
    writer = csv.writer(file, lineterminator='\n')

    writer.writerows(Acc)

本当は,加速度を書き出すだけでなく,速度,変位,スペクトルを計算したいのですが,それらのプログラムは,随時,書き加えていきたいと思っています.

(参考)KiK-net, K-NETのASCIIフォーマット
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+----8
Origin Time       2006/01/18 23:25:00<LF>         (1) 地震発生時刻
Lat.              37.798<LF>                      (2) 震央北緯
Lon.              142.200<LF>                     (3) 震央東経
Depth. (km)       36<LF>                          (4) 震源深さ
Mag.              5.7<LF>                         (5) マグニチュード
Station Code      MYG002<LF>                      (6) 観測点コード
Station Lat.      38.7262<LF>                     (7) 観測点北緯
Station Lon.      141.5109<LF>                    (8) 観測点東経
Station Height(m) 79<LF>                          (9) 観測点標高
Record Time       2006/01/18 23:25:46<LF>         (10) 記録開始時刻
Sampling Freq(Hz) 100Hz<LF>                       (11) サンプリング周波数
Duration Time(s)  108<LF>                         (12) 計測時間
Dir.              N-S<LF>                         (13) チャンネル
Scale Factor      3920(gal)/6182761<LF>           (14) スケールファクタ
Max Acc. (gal)    48.060<LF>                      (15) 最大加速度
Last Correction   2006/01/18 23:25:31<LF>         (16) 最終校正時刻
Memo.             <LF>                            (17) 備考
    8009     9006     7998     8001     8009     8007     8002     8005<LF>
    8006     8003     8003     8005     8005     8003     8001     8004<LF>
    8008     8004     7998     8002     8009     8005     8001     8002<LF>
 :
 :
 :
    8005     8003     8000     8004     8010     8008     8001     8001<LF>
    8006     8006     8000     8000     8005     8009     8004     7999<LF>
    8003     8007     8004     8000     8000     8005     8009     8005<LF>
[EOF]
----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+----8

2015年1月7日水曜日

IOCモード

DJI PhantomなどのIOC(Intelligent Orientation Control)モードは,慣れていないと動きを予想することができない場合があります.

Phantomには,前後認識用のライトがありますが,少し離れると前後が分からなくなる機体形状なこともあり,機体の向き等がわからなくなってしまうことがあります.
なので,IOCモード自体にはメリットはあるのですが,IOCモードでの動きを理解していないとトラブルの元になります.

IOCには

  • CL(コースロック Curse Lock)
  • HL(ホームロック Home Lock)

の2種類あり,左肩のS2スイッチで選択します(一番上はOFF).

CLは電源を入れてから30秒後の向き(基本的には離陸前の機体の向き)を記憶し,機首の向きがどのような向きでもスティックよって移動する方向は記憶した向きに沿った動きになります.
後からS1スイッチのCLとOFFの間を素早く(ガチャガチャと)数回動かすことで,その時の機首の向きを設定し直すこともできます.

HLはバックさせるスティック動作が常にGPSのホームポジションに向かうことになります.
ただし機体がホームポジションから10m以上離れていないと有効になりません.
また,GPS機能が有効で,ホームポジションの設定が行われていなければなりません.


なお,IOCモードでは磁気コンパス(キャリブレーションされている)やGPS機能が正確に動いていることが前提です.
また,IOCモードはアシスタントソフトでNAZA-Mモードに切り替えないとこの項機能しません(Naza-Mモードへの切り替えはこちら).

2015年1月6日火曜日

本体の電源と送信機(プロポ)の電源を入れる順番

電源は,先に送信機(プロポ)から電源を入れ,切るときは送信機を後にします.
これは危険なプロペラやローターが不意に回るのを防ぐためです.
PhantomのようなDJI製品では,仮に間違えても大事故も繋がるような可能性は低いのですが,怪我をしないためにこのルールを守るべきです.
(ラジコンヘリなどでは,先に送信機(プロポ)の電源を切るとローターが回り出して,事故に繋がることがあるそうです)

PhantomではGPSモードで飛んでいるときに送信機(プロポ)の電源を切るとGo Home(自動帰還)モードになります.
この機能は,コントロール不能になった時には,便利(!?)な機能です.
しかし,操縦者の近くに戻ってきた時に,S2スイッチを操作すればGo Homeモードから抜けれるので,安全な所に着陸するためにも,プロポの電源は切った後に再度入れておくようにしています.

2015年1月5日月曜日

DJI製品とネジロック

ラジコンヘリを飛ばす人達にとって,金属同士のねじの場合は「ネジロック(緩み止めの接着剤)」を使うのが常識のようですが,DJIでは,Phantomにネジロックを使うことを推奨していません.
Phantomのネジには,マイクロカプセル化された乾燥状態のねじロック材が付いており,新たにネジロック材を付けることで樹脂が劣化してガタつきの原因となり,性能に影響が出るとしています.

2015年1月4日日曜日

[Earth Science] 地球の構成と内部エネルギー 地球の形と重力

引力:質量を持つ物体が互いに引き合う力.質量が大きな物体ほど,また,互いの重心距離が近くなるほど大きくなる.二つの物体の質量を$M$と$m$,距離を$r$とすると引力の大きさ$f$は
$f = G \cfrac{Mm}{r^2}$
$G$;万有引力定数 $G=6.67 \times 10^{-11}$m$^3 \times$/ kg$\cdot$s$^2$ 



ジオイド:平均海面を内陸部に延長して考えたときの閉曲面.ジオイドは完全な回転楕円体ではなく,局所的な起伏を持っている.
地球楕円体:ジオイドに最も近い大きさと形を持つ回転楕円体.
ジオイドの高さ:地球楕円体の面とジオイドとのずれ.

日本のジオイド高さ

アセノスフェア:地球の内部の温度は深くなるにつれて高くなり,マントル上部で1000℃を超えると融点に近づき軟らかくなり流れやすい性質を持つ.この流れやすい領域をアセノスフェアといい,地震波が遅くなる低速度領域として観測される.
リンスフェア:アセノスフェアの上にある部分.温度が低く硬い性質を持つ.

アイソスタシー:アセノスフェアの同じ深さの面に加わる重量はどこでも同じでなければならず,この状態をアイソスタシーという.
アイソスタシーの例題
南極大陸は平均すると約2400mの暑さの氷(密度:0.9 g/cm$^2$)に覆われている.もしこの氷が全て融けたとすると南極大陸は何m隆起するか.ただし,マントルの密度を3.3g/cm$^2$とし,アイソスタシーが成立するものとする.

アイソスタシーが成立していれば,氷が融けると周囲からアセノスフェアのマントル物質が流入して南極大陸が隆起する.地殻の厚さは一定であり,氷の重さと隆起する高さ($x$m)分のマントルの重さは等しいので,
$0.9 \times (2400 \times 10^2) = 3.3 \times (x \times 10^2)$
よって,
$x = 0.9 \times \cfrac{2400}{3.3} = 654.5\cdots 655$m

2015年1月3日土曜日

"NAZA-M"モード

Phantom2 Vision+には,以下のセンサーが搭載されています.


  • ジャイロセンサー :X軸,Y軸,Z軸の回転を認識
  • 加速度センサー  :X軸、Y軸、Z軸方向の加速を認識
  • 気圧計      :高度を認識
  • GPS        :座標(緯度、経度、高度)を認識
  • コンパス      :機首の方向を認識


これらのセンサーを使用して飛行補助機能としています.

"Atti. "モードでは,ジャイロセンサー,加速度センサー,気圧計を使用できるので,プロポの操作量に応じて機体の角度が自動で制御されます(プロポのピッチ,ロールがセンターの位置で機体が水平になり,高度も自動で制御(維持)される).
上記のように機体の制御は補助されているのですが,GPS モードでは,静止(ホバリング)する際には,プロポのスティックをセンター位置にした状態とすれば良かったのに対して,"Atti."モードでは,慣性力や風力の影響を受けて機体が流されるので,操縦者は,機体が流されている方向に対して当て舵を切る必要があります.

なお,"GPS Atti."モードでは,全てのセンサー("Atti."モード+GPS,コンパス)が使用されており,"Manual"モードでは,ジャイロセンサーのみが使用されます.

GPS,コンパスセンサーは非常に強力な補助機能なのですが,Phantom2 Vision+では,飛ばす場所にもよりますが,GPSをロストしてしまうこともあります(山間地や都市部では.結構頻繁にロストする)このような時には,"Atti."モードに切り替えて操縦しないと墜落しますので,"Atti."モードでのトレーニングを行い,いざという時への対応が必要です.

2015年1月2日金曜日

DJI Phantom2 Vision+を "Naza-M"モードに切り替える

前回の投稿では,DJI Phantom2 Vision+のプロポの設定に関する記事を投稿しました.

今回は,機体の設定に関してです.
機体とMacをUSBで接続し,アシスタントソフト"Phantom (PT2)"を立ち上げます.
接続が出来ている状態では,左下のランプ(接続インジケーター)が緑色に光り,その隣のランプ(通信インジケーター)が青色に点滅します.
また、接続が出来ていない場合は緑色になっているランプが赤色(接続インジケーター)の状態のままになります。

アシスタントソフトウェアを立ち上げた際には,ファームウェアのアップグレードを行う事が推奨されているので,アップグレードのメニューを選択すると以下の画像のように現在のソフトウェアのバージョンが最新であるかどうかが表示され,最新でない場合はアップグレードが可能です.

当初は"Phantom"モードに設定されていますが,"Naza-M"モードに変更する際のメモです.
まずは,アシスタントソフト"Phantom (PT2)"を立ち上げて,機体と接続します.
モード変更は、Assitant S/W画面の上部のモードボタン(当初は"Phantom"と表示されています)をクリックすることで可能です.

Naza-Mモード画面に切り替わると,以下のような表示になります(ウィンドウの右上に"Naza-M"と表示されている).

IOC機能の選択有効化
"Naza-M"モードにすることでIOC機能*の有効化・無効化の設定が可能になります.
このことは,"Phantom"モードではIOC機能は常時無効化されていることを意味します.

"Assistant S/W"画面の"Advanced"アイコンをクリックし更に"IOC"タブを選択すると以下の画面になります.
"InteligentOrienttionControl"(方向制御)というチェックボックスにチェックをいれるIOC機能が使えるようになります.


実際にはプロポ上部左側に付いている3点スイッチ(S2 -左側)で機能選択をします。

 * UpperPosition:IOC機能オフ
 * MiddlePosition:CourseLock機能有効
 * LowerPosition:HomeLock機能有効

実際に,上記の画面で,プロポのS2スイッチを動作させると,画面内のバー表示も連動します.

CL(CourseLock)とHL(HomeLock)を使うと機体の向きを気にする必要がなくなります.
ただし,これらの機能は,磁気コンパスとGPSが正しく動作している時にのみ問題なく動作します.

コントロールモードスイッチの設定
Basicアイコンを選択し,RCタブを選択すると,プロポの上部右側の3点スイッチ(S1-右側)スイッチのLowerPositionの機能が選択可能になります.
このことは,"Phantom"モードでは常時GPS+Attiモードであることを意味します.

 * UpperPosition:GPSモード(固定)
 * MiddlePosition:Atti(Attitude)モード**(固定)
 * LowerPosition:選択可能("Atti**","Manual***","Fail Safe****"を割当可能)

"LowerPosition"には,"FailSafe"機能をプルダウンメニューで選択しました.
これで,S1スイッチを"LowerPosition"に切り替えると強制的に"Fail Safe"機能が発動されます."Fail Safe"モード以外には,"Atti",または"Manual"モードを割り当てることができるので,使用者の好み(?)で選択することができます.
S1スイッチの時と同様に,実際に,上記の画面で,プロポのS2スイッチを動作させると,画面内のバー表示も連動します.

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* IOC(インテリジェント飛行機能)とは:コースロックやホームロックなどの飛行制御機能.通常,飛行方向は機種方向と同一だが,IOCを設定することで機種方向を変更することができる.


  • コースロックで機種方向を記憶すると,機種がどの方向を向いても,記憶したコース上が進行方向として認識される(ホームを記録した時のコンパスの向きを元に飛行する).いわゆる,CF(ケアフリー)で,コースロック機能を使うときは,離陸時から操縦者がプロポの向きを変えずに操縦することで,機体の向きを気にせずに操縦できます.(例:ホームポジションで,機首が東を向いていたとして,東に機首を向けた状態で前進を入力すると東へ進み,右旋回して機首が南を向けた状態にして前進を入力すると東へ進む.)
  • ホームロックで,ホームポイントを記憶すれば,ホームポイントから外向き(ホームポイントと機体を結んだ方向)が進行方向として認識される.ホームロックでは,記録したホームポジションを中心に飛行するモード.前進を入力するとホームから遠ざかり,後退でホームに近づく.機首がどの方向を向いていようとも,常に,左はホームから見て左,右はホームから見て右となる.ホームポジションから動かないで操縦する場合は非常に簡単に操縦が可能.

なお,記憶した進行方向の操作は,エレベータースティックに対応する.
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**  Attiモード:GPS機能が無い状態.
       ジャイロ(水平)と高さは維持される.
       (慣性力や風力の影響を受ける)
*** Manualモード:GPS機能と気圧センサー(高度ホールド)が無い状態.

       (常にスロットルコントロールが必要)
****Fail Safeモード:ホーム(記録したGPS座標)へ自動的に帰還するモード
       (いわゆる"Go Home(自動帰還))
        Fail Safeモードに入れると上昇後,ホーム(離陸点)上空に到達し,
        その後下降,着陸する.