<問題>
測量に関して間違っているものを選べ.
- 測地学的測量とは,地球をGSR80回転楕円体として行う測量をいう.
- 平面測量とは,地球を平面と考えて行う測量をいう.
- 測地学的測量では,地球表面の曲率を考慮しない.
- 基本測量,公共測量は,測量法の規定に基づいて行う.
- 公共測量は,作業規定の準則に基づいて行う.
答え:3
<解説>
- 測量区域が小さく,地球の表面を平面と見做して良いとき,平面測量という.測量作業で得られる実距離を球面距離Sといい,平面直角座標上の平面距離sとの差が1kmにつき0.1mまで許される場合(精度:1/10,000),半径約10kmまでの範囲を平面とみなす.
- 測量区域が広くなれば,地球の曲率を考えて測量しなければならない.地球を球体と考えて行う測量を測地学的測量という.
- 座標として,小区域の一般測量では平面直角座標系を,広域の測量ではGRS80楕円体を基準面とする地理学的座標系を用いる.
<ポイント>
測量法における測量の区分
- 測量法(第3条)において「測量とは,土地の測量をいい,地図の調整および測量写真の撮影を含む」と規定されている.実施の主体,費用負担の区分(国,公共団体,民間),規模,精度および実施の基準から,基本測量,公共測量,基本測量,および公共測量以外の測量の3区分に分けられる.
- 基本測量(第4条):すべての測量の基礎となるもので,国土地理院が行う測量.1等〜4等基準点測量,1等〜3等水準測量,1/25,000地形図測量,および1/200,000等の地図
- 編集,土地利用図の作成等.
- 公共測量(第5条):基本測量以外の測量で,費用の全部,もしくは一部を国,または公共団体が補助して実施するものを言う.1級〜4級基準点測量,1級〜4級水準測量等.
- 基本測量,および公共測量以外の測量(第6条):基本測量,公共測量の測量成果を使用して実施する4条,5条以外の測量.ただし,4条,5錠とも建物に関する測量,局地的測量,高度の測量を要しない測量等を除く.
- 公共測量を実施する測量作業期間(第8条)は,作業を円滑化つ確実に実施するため,作業規定の準則(第34条)に基づいて作業計画を立案し,工程管理,および精度管理を総括する者として,主任技術者(測量士)を選任しなければならない(準則第9条,実施体制).
測量の手法・目的による分類
- 測量は,測量の方法,目的によって分類する.基準点測量(多角測量),水準測量,地形測量,写真測量,地図編集,応用測量など.作業規定の準則では,基準点測量(基準点測量,水準測量),地形測量,および写真測量,および応用測量(路線測量,河川測量,用地測量)に分類している.
<問題>
公共測量の作業規定を定める場合で間違っているものを選べ.
- 作業規定は,ある理想表現するものであるから,最高精度の条件を記載する.
- 作業規定は,実務者の直接の指針となるようにできるだけ具体的に,また,分かりやすく記載する.
- 作業規定は,その測量の目的を確実に満たすために必要な制度を持たせる.
- 基準点測量から製図作業までの各段階における精度は,互いに均衡の取れたものとする.
- 作業規定は,実施した測量成果に対して制度を明らかにする根拠となるものであるから,精度を点検できる処置について考慮しておく.
答え:1
<解説>
公共測量は,公共性,重要性を考慮して,信頼できる精度を確保しなければならない.測量法第33条の規定により,測量計画機関は,公共測量を実施するときは,観測機械の種類,観測法,計算法等の作業規定を定め,国土交通大臣の承認を得て実施しなければならない.この作業規定作成の規範となるものとして,34条で国土交通大臣は,標準的な作業方法等を定め,その規格を統一するための公共測量の作業規定の準則を定めている.
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測量について,測量の分類について