変成作用
変成作用:地球内部の高温・高圧状態に置かれた岩石が基本的に固体状態のままで鉱物同士の化学反応が生じ,その条件で安定な新しい鉱物からなる岩石に変化する現象.
化学的風化では,高温で形成された火成岩を構成する鉱物が常温,常圧で水と反応して分解(加水分解)し,低温で安定な含水ケイ酸塩である粘土鉱物(粘土を構成する鉱物)に変化する.この化学反応は,高温で安定していた鉱物が低温で安定する鉱物に変化することを示している.そのため,熱を放出する発熱反応となる.
再結晶:低温低圧で安定な鉱物の集合体に熱や圧力を加えると,高温,または高圧で安定な新しい変成鉱物が形成される現象.新たに形成された変成鉱物は,その内部に熱エネルギーを吸収し,蓄えていることになる.
変成相:一定の複数の変成鉱物の組み合わせで示される一定の温度,圧力の範囲のこと.
変成鉱物が再結晶している際に大きな方向性のある力(地殻応力)が加わると,変成鉱物はその力の方向に支配された配列を取るようになる.その結果,剥がれやすい片理面の発達した結晶片岩や鉱物が面状に配列して,縞状の構造を持つ片麻岩などが形成される.変動帯で大規模に起こる変成作用(広域変成作用)では,多くの場合,方向性のある大きな地殻応力が働くため,結晶片岩や片麻岩が形成される.
接触変成作用
接触変成作用:冷たい地殻上部の岩石中に高温のマグマが貫入してくると,マグマと接する岩石はその熱で温められることで温度が上昇し,変成作用を起こす.このようなマグマと接触することで生じる作用のこと.
ホルフェンス:接触変成作用によって泥岩や砂岩などの堆積岩が再結晶すると,硬い緻密な岩石に変化する.この変化した岩のこと.
広域変成作用
広域変成作用:地殻内部の広域な領域の岩石がその場所の地温勾配の下に長く置かれると,その地温勾配に応じた変成作用を受けること.
プレート境界などの変成帯で広域変成作用が生じる場合,同時にその場所での地殻応力によって変成作用を受け,薄く剥がれる構造(片理)の発達した結晶片岩が形成される.薄く剥がれる面を片理面という.
広域変成域:広域変成作用によって結晶片岩などの変成岩が形成された地域のこと.広域変成たいは低温高圧型,高温低圧型,そしてそれらの中間型に区分される.
プレートの沈み込みと変成帯
地球上の広域編成帯の多くは,プレート沈み込み境界で形成される.
低温高圧型は,冷たいプレートの沈み込む場所(地殻熱流量が小さく,地温勾配も小さい,圧力が増加しても温度はあまり上昇しない海溝近傍のプレートの沈み込む場所)で,プレートによって地下深く引きずり込まれた堆積岩に見られる.
高温低圧型は,地下の浅い場所で非常に高温な場所(地殻熱量が高く,地温勾配が大きい,火山帯の地下,すなわち高温のマグマが上昇してくる火山帯の地下のような場所で形成される.
沈み込むプレートの性質は,そのプレートの形成年代によって異なる.年代の古い十分に冷えたプレートが高速度で沈み込む場合には,低温高圧型編成帯が形成される.年代の若い,暖かいプレートが低速度で沈み込んだ場合には,中間型の広域編成帯が形成される.また,プレート衝突境界の地下でも地温勾配がそれほど小さくならず,中間型広域編成帯が形成される可能性がある.
過去の地学関連のメモ
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