火山は地下で生成されたマグマが上昇し,地表に到達した時点で形成される.火山が形成される場所では,マグマが冷やされて固化することでその熱を放出する.
火山噴火の仕組み
地下深部のマントルや地殻が形成されたマグマは周囲の岩石よりも密度が小さいので浮力で上昇する.地下の浅い場所まで到達し,周囲の岩石の密度が小さくなるとマグマの密度が小さくなるとマグマの密度と周囲の岩石の密度がつり合って上昇を停止し,マグマ溜まりが作られる.
マグマには多量の水(H2O)を始め二酸化硫黄(SO2),二酸化炭素(CO2)などの火山ガス成分が溶け込んでいる.
マグマの発生と上昇
物質の融点や沸点は圧力によって変化し,圧力が高くなると融点も沸点も上昇する(固体では規則正しく配列していた原子が,融点を超えると無秩序な配列に変化する.圧力が高まると押さえつけられていることで原子の自由な運動が妨げられ,融解しにくくなるので,融点の温度は上昇する).
マグマの生成:固体である岩石は,融点を超えると融解して液体であるマグマに変化する.
部分融解(部分溶解):岩石が溶けてマグマとなる際には,全て溶けてしまう場合は少なく,一部,鉱物が溶け残ることが普通で,この状態のことをいう.
岩石が融解されるのには
- 減圧融解:圧力は変えず,温度を上昇させる方法
- 加水融解:水のような融点を下げる物質を加える方法
の2通りの方法がある.
反転流:プレート沈み込み境界では,沈み込むプレートに引きずられて,その直上のマントルも沈み込む.すると,その分を埋め合わせるように深部の高温のマントルが上昇すること.
沈み込むプレートの上面は海水と接していたことが,含水鉱物などの形で多量の水が含まれている.含水鉱物などはプレートが沈み込み,温度圧力が増大することで脱水され,沈み込むプレートの上のマントルに水を供給する.プレート沈み込み境界では,こうした高温の反転流の減圧融解と供給された水による加水融解によってマグマが生成されると考えられる.
マグマの多様性とその成因
融解によって生じるマグマの性質は,起源物質の違いや生成条件の違いにより多様である.
マントルはかんらん岩からなる,かんらん岩の融解によって生じるマグマは,基本的には玄武岩質である.一方,近くの融解によって生成されるマグマはケイ長質または安山岩質である.
融解で生じたマグマの生成は地表に到達するまでの過程で結晶分化作用,同化作用,およびマグマ混合などによって多様性を増す.
マグマの分化:マグマ生成後に何らかのプロセスによってマグマの化学組成が変化すること.
結晶分化作用:マグマが冷却し,結晶が晶出することで残液の組成が変化すること.玄武岩マグマの結晶分化作用では,ケイ長質マグマが生成される.
同化作用:マグマが地殻物質を取り込むことでその化学組成を変化させること.
マグマ混合:異なる化学組成のマグマが混合して中間組成のマグマが生成されること(e.g. 玄武岩質マグマと流紋岩質マグマが混合して安山岩質マグマが生成される).
過去の地学関連のメモ
地球の構成と内部エネルギー
・地球の形と重力,・重力異常,・地球の磁気,・重力異常,
地球の内部
・地球の内部の状態と構成物質,・地殻熱流量
プレートテクトニクス
・プレートテクトニクス成立の歴史,プレートテクトニクス,プルームテクトニクス,地震,火成活動
0 件のコメント :
コメントを投稿